人を頼ること、甘えることは悪いこと?ずるいこと?
この記事は長女気質で人に迷惑をかけてはいけない、人を頼りたくない!と自分一人で頑張ろうとしがちな女性に向けた記事です。
もくじ
選択肢なく頑張りすぎた人が頑張ってきた理由とその末路
何を隠そう私もそうでした。
なんでも自分でできることが偉くて、人の手を借りないことが親切だと思い込んでいました。
なので自分の限界を無視してとにかく気力で頑張り続ける人生を送っていました。
それがたたって高校生の時、部活中の筋力トレーニングですべり症を患い、その後も職場で重たいものを運ぶ時に何かと一人でやろうとしてぎっくり腰を経験しました。
それによって昔は柔軟性に自信がありましたが、20年以上経つ今でも腰をそらすことができず、またちょっと気を抜くと腰を痛め、動けなくなる生活を送るようになってしまいました。
しかしついつい見栄を張って頑張りすぎる癖がたたって40を過ぎ、とある運動指導者のアドバイスを実践したことが自分の身体構造と能力に合わず股関節に痛みが出るようになり可動域が大幅に減り、また重い椎間板ヘルニアを患う結果になりました。
椎間板ヘルニアとは
椎間板ヘルニアというのは椎間板の中の髄核が飛び出してしまった状態のことを指し、脊椎の周りには多くの神経があるので、飛び出した椎間板の髄核がそれらを刺激することによって、痛みやしびれなどの症状があらわれます。
(参考文献:ジョンソン・エンド・ジョンソン 椎間板ヘルニア)
私自身の場合の主な自覚症状としては
・臀部から足にかけてのしびれ
・臀部付近の強烈な痛み、または持続的で突発的な痛み
・筋肉ではなく背骨付近の痛み
・足首のこわばりによる動かしづらさ
・横になるのも立っているのも座っているのもつらい各部の痛み
・足に力が入りづらくふらつくことがある
椎間板ヘルニアってよくなるの?
またいろいろと調べていくと自然に治る人は少数でヘルニアの痛みの原因は飛び出した髄核が神経に触れることで起こるものだとされていますが、まだはっきりとはわかっていないことも多いものなのだそうです。
実際ヘルニアが治った人たちがどんな対処を行ったのかという記事を探してみると、ヘルニアの痛みを起こしている部分そのものが消滅した人、神経は圧迫されているがブロック注射を打つことで痛みを麻痺させている人、骨や神経そのものに医療を施して神経の圧迫を取り除いた人などを見つけました。
どちらかというと対処療法であり、飛び出した髄核そのものを元に戻せるわけではないようです。
ヘルニア発症によって変わったこと
ヘルニアがあると体の痛みから日々の生活がしづらくなります。
今までできていたことができなくなり、腰痛経験のない元気な人達の悪気のないアクティブな誘いが煩わしくなり、頼ることが苦手な分、その屈辱感と無力感、苦痛に怒りさえ湧いてくる日々でした。
ヘルニアと診断されるまで
その痛みがどこから来ているのかを調べるため整形外科を受診するとたいていはまずレントゲンで骨の異常がないかを調べ、ベットに横になってどの動作で痛みが出るのかを確認し、痛み止めの薬とシップをもらいます。
そしてどれも効果がないと分かるとMRIを撮ってもらうことになり(3割負担で8千円くらい)、その後ヘルニアと診断され、ブロック注射を打つことになり、痛み止めを併用してもらいました。
ブロック注射は神経を麻痺させている感覚があり、神経が飛びでていること自体がなくなるわけではありません。
しかし痛みが軽減されたことによって体を動かしやすくなるので、固くなってしまった体を動かしたり、弱っていた筋力を回復させるための運動を問い入れやすくなること、痛みで寝るのもつらかったので寝不足を解消できたりとその恩恵は計り知れませんでした。
腰痛予防のトレーニングで腰痛になっていた理由
しかしもともと腰が弱く、今までにも腰痛予防のために行っているはずの運動で腰を痛めてきたので、まず運動を始める前提として運動指導者の運動履歴やもともとの能力と自分との違いを見逃してはいけないこと、自分の筋力の限界や腰を悪くしてしまいやすいトレーニングを知って回避することの重要性を痛感しました。
なぜなら数か月前にもそのトレーニングによって反対側の足もヘルニアになってしまったからです。
ヘルニアでもできること
今も足のしびれと腰の痛み、足首のこわばり、痛みのために長時間立ち仕事や座り仕事ができない不便さを抱えながら、出された飲み薬を飲み(毎回全然効かない)過ごしていますが、椎間板ヘルニアでもできる運動を探して、直立の姿勢のままでもできるウォーキングや腰を動かしすぎない軽めのストレッチ、腰を動かさない腹筋などを少しずつ取り入れて、もちろん痛みがあるのにさらに負荷を加えるようなことは避けながら(以前は痛くてもやっていた)今以上に体が固まってしまうことのないように手入れしています。
ヘルニアが教えてくれたこと
このような経験から痛感したことは、「人の迷惑になりたくなかったからこそ、本来は体や心を壊す前に人の助けを借りるべきだった」ということと、「今できること、やりたいことは人の助けを借りながら今のうちにやっておくべきだった」ということ。
人を頼れない(=人を信用できない)ようになった原因はたくさんあって、当時の自分に言ったとしてもきっと簡単には聞く耳を持たなかったとは思いますが、以前のような健康で動かしやすい体ではなくなって、子育て中だからと何年も好きなのに我慢してきたアクティビティもできなくなってしまったからこそ、切にそう思います。
10代で腰痛を発症し、何度も再発していての出産で座骨神経痛、椎間板ヘルニアという流れを経験したことで、年数を考えればあまりにも気づくのが遅すぎたのかもしれませんが、腰痛は私に「ひとりで抱えすぎるな」「頑張りすぎだ(自分のキャパを知れ)」というメッセージをずっと送ってくれていたんだと思いました。
そして娘の保健体育の教科書の中に見つけた運動するときの大切なポイントは「7割の力でできるところまでにする」という一文。
私はできるか、できないか、できなければ全部ダメ!と言われるような育てられ方をしていたので、ずっと中途半端なことはダメなんだと思っていました。
なので何をするにもいきなり全力疾走で、ペース配分ができず、とにかく気力で体力の限界を突破してきたので、(またそれを「頑張ったね」と褒められることでそれが正しいと思い込んでしまった)運動も人間関係(人との距離感や言葉遣い)も100%でぶつかって失敗してきました。
人を頼ることは自分を守り相手を信頼することでもある
今でこそ少しずつ人を頼る練習を始めましたが、人に助けを求めたり相手が気持ちよく手伝ってくれるように頼る経験値は乏しい方なのでまだまだ失敗もあります。
それでも時々(内心こわごわ)頼ってみると必ず「頼ってくれると嬉しい」と言ってくれる知人と出会うことができて、人を頼ることは必ずしも相手にとって負担になることばかりではないと実感できるようになりました。
もし腰だけでなく体のどこかに痛みが出ているなら、壊してからでは遅いので(潜在意識としては休む正当な理由がほしくて無自覚に体を壊したいと思っていることもある)休憩をはさんだり、ストレッチしたり、手伝ってもらったりしながら自分のことも大切にしてあげてほしいなと、経験者は願うばかりです。
そうはいっても子育て中のママで無理しなきゃほかにやれる人がいなかったり、頼めない環境にある人もいると思います。
どちらかというと相手に悪いなーと思ってしまいがちで性格的に頼れないような方の対処法についてもまた書いていこうと思いますのでそれは別の機会に。
それでは、また!
追記
2023年6月末現在の状況は2か月前にヘルニアを発症したのを機に2年間後遺症があった左足の症状はほぼなくなり、右足は薬の服用によって痛みが軽減。椅子に座るなどによって臀部に圧力がかかると右足全体にしびれが出たり、右足首にこわばりがあり、動きが悪い不便があったり、足元に力がはいりづらく立ち上がる際に意思に反して体が傾いてしまうことがあるものの、日常的な生活の支障は少なくなっています。
2023年10月末現在の状況は慢性的な軽い腰痛(気を抜くと痛める)と股関節や座骨神経痛を感じる日があるものの、開脚が可能になり、あぐらができるようになりました。足首のこわばりもほとんどなくなり、当初弱気になっていた時には治らないのかもしれないと不安で痛みにばかり意識が向いていましたが、治そう!と意識を変え、痛みがあるときはほどほどにストレッチをしたり、ほかごとをしているうちに随分とよくなってきました。
医者から次回の検診は2年後と言われ、何をしてもらえるわけでもなかったことが自分の治癒力を信じるしかなくなる状況を作ったのかもしれません。
そして今はようやく週3以内、4時間程度のパートを始めることになりました。
面接では腰や関節が悪いことを伝えてあったにも関わらず重たい作業がある場所に配属されてしまったのでいつまで続けられるかわかりませんが、それでも仕事内容は楽しいので今は様子をみながら続けています。
腰痛やヘルニアがある身で外で働くことは甘えられない分とてもヒヤヒヤしますが、気を遣って下さる方もいるので今の自分にできることを淡々とやっていくつもりです。